パイオニアは2022年2月10日、運転者と音声で対話しながらナビゲーション機能などを提供する市販向け車載機器の新製品を発表した()。音声認識用のAI(人工知能)を搭載し、運転者が同機器に話しかけるだけでルートの検索や案内ができる。価格は6万5780円(消費税込み)から。同年3月2日に日本で発売する。

図 パイオニアの新製品「NP1」
図 パイオニアの新製品「NP1」
フロントウインドー上部の室内側に装着する。前方監視用のカメラと、車室内や車両後方を監視するカメラを備える。(画像:パイオニア)
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 新製品の名称は「NP1(エヌピーワン)」。運転者が同機器に「エヌピーワン」と話しかけ、目的地を伝えると、音声で案内を始める。走行中に運転者が話しかけずとも、行き先に適した走行車線や周辺地域の情報などを運転者に伝えるプッシュ型の通知機能も備える。

 従来のカーナビは、インストルメントパネル中央のディスプレーに地図を表示するのが一般的である。ユーザーは運転中にディスプレーに視線を向け、指で操作する必要がある。パイオニアはこうした操作が運転者の負荷になっていると指摘する。

 音声による操作や検索を可能にしているのは、パイオニアが新開発したAIプラットフォームである。自動車メーカー向けに対話型AIを手掛ける米Cerence(セレンス)の音声認識技術を採用している。パイオニアとセレンスは21年6月から、自動車のインフォテインメント分野において協業している。

 新製品はこのほか、ドライブレコーダー機能も備える。前方監視用と、車室内および車両後方を監視する2つのカメラを搭載している。運転者による音声の指示で、静止画の撮影や録画が可能である。